根拠のないAI生成のDMCA通報によりLuanti AndroidアプリがGoogle Playから削除された
LuantiのGoogle Playからの削除は根拠のないAI生成のDMCA通報によって引き起こされた
2026年8月、Microsoftの代理人としてTracer.AIが提出したDMCA削除通報により、Luanti AndroidアプリがGoogle Playから削除された。この通報では、Minecraftの資産の著作権侵害を主張したが、Luantiにはオリジナルでオープンソースの資産しか含まれていない。
Luantiとは何か?
Luantiは、デフォルトのゲームや独自資産を含まないオープンソースのボクセルゲーム作成プラットフォームである。ユーザーはアプリ内コンテンツデータベース(ContentDB)からコミュニティ制作のゲーム、MOD、テクスチャパックをダウンロードする。コアエンジンには、プロジェクトの LICENSE.txt に記載されているライセンスのもとで公開された少数のオリジナルテクスチャとフォントのみが含まれる。かつてバンドルされていた Minetest Game は2023年12月にデフォルトインストールから削除され、現在はオプションでのダウンロードとなっている。これも完全にオリジナルで適切にライセンスされている。
DMCA通報はどのような主張をしているか?
Googleに提出された通報は、Luantiが「Minecraftゲームから直接示された著作権付き資産を使用している」と主張し、Minecraft Java Edition 1.9(米国登録番号 #TX 8-192-097)の登録を根拠として挙げている。しかし、具体的な資産リストやコピーの証拠は一切提示されていない。したがって、この主張は曖昧で裏付けがない。
Luantiに実際に含まれている資産は何か?
エンジン資産
Luantiの内蔵テクスチャは、少数の実用的なグラフィックに限られている。ブログ記事には、アプリにバンドルされているすべてのテクスチャのスクリーンショットが掲載されており、Minecraftのテクスチャが含まれていないことが確認できる。
Minetest Game(かつてバンドルされていたもの)
Minetest Game は2023年12月にデフォルトパッケージから削除された。その資産はオリジナルであり、プロジェクトの LICENSE.txt に記載されているように、許容的なライセンスのもとで公開されている。
サードパーティコンテンツ
追加のゲーム、MOD、テクスチャパックはすべてContentDBにホストされ、ボランティアによる手動レビューを経ている。Luantiチームは、潜在的な著作権侵害を検出するための自動的視覚ハッシュツールの開発を進めているが、いかなる削除要求も依然として人間による検証が必要である。
なぜこの主張は法的に成立しないのか?
著作権法は、アイデアの表現を保護するものであり、『立方体』やボクセルグラフィックスという根本的なアイデアそのものを保護するものではない。17 U.S.C. § 102(b) は、アイデア、手順、概念を保護の対象外として明確に規定している。Minecraftの視覚的スタイルは、Infiniminer(2009年)やHytaleを含む広範なボクセルゲームジャンルの一部であり、Microsoftが一般的なブロックベースのグラフィックスに対して独占的な権利を主張することは不可能である。
Tracer.AIとは誰か?
Tracer.AIは、AI駆動のブランド保護プラットフォームとして自らを宣伝している。同社のウェブサイトでは、AIエージェントが「これまで以上に速く、正確に侵害を検出し削除する」と述べている。2024年のブログ記事では、85%の高速化とレビュー時間の6倍短縮を主張し、人間による検証よりもスピードを重視している。
これが初めての出来事ではない
- 2023年3月:Tracer.AIがLuantiに対して同様の通報を提出。反論通報の後、Googleは46日後にアプリを復元したが、DMCAの10〜14営業日間の復元期間(17 U.S.C. § 512(g)(2)(c))を超過した。
- 2024年2月:Tracer.AIがMicrosoftの代理人として、インディーボクセルゲーム Allumeria に対してDMCA通報を提出し、Steamから一時的に削除された。公開の反発を受け、Microsoftは通報を撤回した。
これらの繰り返しの通報は、低証拠の攻撃的削除のパターンを示している。
Hacker Newsでのコミュニティの反応
- @vintermann – 通報の責任者であるMicrosoftの上級法務担当者を解雇するよう呼びかけ、このパターンがMicrosoftの信頼性を損なっていると指摘。
- @hexator – 無駄なDMCA通報に対して罰則を設けるべきだと主張。
- @matheusmoreira – この行為を「『善意』を装った企業による検閲」と表現し、大企業だけが対抗できる状況だと指摘。
- @mysterydip – AIパイプラインがオープンソースコードをスクレイピングし、類似の独自コードを生成して侵害として通報している可能性を推測。
- @benjiro29 – 虚偽の主張に対する罰則がなく、証明責任が被疑者に負わされている点を強調。
- @cryptolobster – この出来事を「馬鹿げている」と評し、Googleが検証されないAI通報を受け入れた点を批判。
これらのコメントは、自動化され検証されないDMCA通報が正当手続を損ない、資金力のある権利者を優遇することを強調している。
何ができるか?
- 反論通報の提出 – Luantiはすでに反論通報を提出済み。アプリは速やかに復元されるべきである。
- 公共の圧力 – Luantiチームは、Microsoft、Mojang、Tracer.AIに対し、検証されないAI検出に依存せず、主張に具体的な証拠を提示するよう要請している。
- プラットフォームの改革 – Googleには、通報の検証を改善し、アプリの削除ではなく一時停止を許可し、DMCAの期間を厳守するよう求めている。
- 代替配布経路 – ユーザーはF‑Droidや公式ウェブサイトからの直接APKダウンロードでLuantiを入手可能だが、両方のチャネルもプラットフォームポリシーの圧力が増している。
- 法的改革 – 申請者に保証金を提示させる(@jmward01が提案)か、繰り返し無意味な通報を行う者に罰則を科す(@hexatorと@benjiro29が提起)などの提案がある。
結論
LuantiのAndroidアプリがGoogle Playから削除された事例は、AI駆動のブランド保護サービスが根拠のないDMCA通報を生成し、Google Playのようなプラットフォームが十分な人間による検証なしに受け入れてしまう可能性を示している。この出来事は、自動化された削除に対抗するためのより強固な保護策、申請者に対する明確な責任、オープンソースソフトウェアの多様な配布経路の必要性を強調している。
Sources
関連
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