クレディセゾン ChatGPT Enterprise ROIおよび導入事例
パイロットプログラムの結果とROI
3,100万人以上のカード会員を抱える金融サービス企業であるクレディセゾンは、ChatGPT Enterpriseのパイロットプログラムにおいて954%の投資収益率(ROI)を達成しました。2025年6月下旬から8月上旬にかけて実施されたこのパイロットには、日本国内の従業員3,700名のうち約10%にあたる315名が参加しました。参加者は1人あたり月平均14時間、年間で約169時間の業務時間を削減し、当初の目標であったROI 500%および月間7.5時間の削減を大幅に上回る成果を上げました。
導入戦略とリーダーシップ
このパイロットの成功は、リーダーシップの積極的な関与と、知識共有を促進する透明性の高い文化によってもたらされました。同社のCenter of Excellence (CoE) は、専用のSlackチャンネルを活用して成功事例や失敗事例を記録し、OpenAIはスタッフや経営陣向けにトレーニングワークショップを提供しました。水野克己社長を含む経営陣は、日常業務のためのカスタムGPTを作成するなど自ら積極的に活用し、組織全体での導入を後押ししました。このようなトップダウンの関与と、従業員主導の実践的なユースケースが組み合わさったことで、同社はパイロット終了から1ヶ月以内に全社展開を承認しました。
AIの実践的な活用
各部門の従業員は、特定のビジネスニーズに合わせて調整されたカスタムGPTを通じて、ChatGPTをワークフローに統合しています。
- リテール営業: チームはカスタムGPTを使用して日々の報告会の音声を要約し、会議のメモ、結果、引き継ぎ事項を記録してドキュメント作成を効率化しています。
- 法人営業: リサーチに特化したGPTが顧客データを分析してビジネス上の課題を特定し、営業チームがより質の高い提案書を作成できるよう支援しています。
- インサイドセールス: ロールプレイングに特化したGPTが見込み顧客役となり、新入社員が音声を通じて営業会話の練習を行い、経験豊富な同僚の時間を割くことなくフィードバックを受けられるようにしています。
今後のAIトランスフォーメーション戦略
クレディセゾンは、AIトランスフォーメーション(AX)戦略を以下の3つの側面で定義しています。
- 従業員AX: 個人の生産性に焦点を当て、現在のChatGPTの活用や、エンジニアがCodexを使用して月間850時間を削減している事例などが含まれます。
- 顧客AX: ユーザー体験を向上させるため、社内でAIを活用したコールセンター機能を開発しています。
- 企業AX: AIをビジネス運営の中核要素として統合するために、組織設計や役割定義を再考しています。
同社はこれらの取り組みを拡大するにあたり、さらなる展開の前提条件として、セキュリティと顧客情報の保護を重視し続けています。