CUGAハーネスがAppWorldベンチマークでHermesとDeep Agentsを凌駕
TL;DR
IBMのオープンソースCUGAハーネスは、同じGLM‑5.3‑flashモデルでAppWorldベンチマークタスクの**81%**を完了し、Hermes(47%)やDeep Agents(30%)を大きく上回りました。この結果は、エンタープライズ自動化において、モデルだけでなくハーネスが信頼性、ルールの強制、展開可能性を決定することを示しています。
実験はハーネスの重要性を証明
管理されたテストでは、3つの人気エージェントハーネス(CUGA、Hermes、Deep Agents)を同じオープンウェイトモデル(GLM‑5.3‑flash)で、90のAppWorldタスク(30のマルチアプリシナリオ)にわたって実行しました。すべての実行はHarbor評価フレームワークと同一のタスク入力を使用し、ハーネス設定のみが異なりました。結果は以下の通りです:
| ハーネス | タスク完了率(TGC) | シナリオ完了率(SGC) |
|---|---|---|
| CUGA | 81.1%(73/90) | 66.7%(20/30) |
| Hermes | 46.7%(42/90) | 26.7%(8/30) |
| Deep Agents | 30.0%(27/90) | 6.7%(2/30) |
SGCメトリクスは、シナリオの3つのバリアントすべてが成功することを要求するため、一貫性を重視します。CUGAは次点のハーネスの3倍以上のシナリオ成功を達成しました。
「最も有用な数値はSGCです。シナリオは3つのバリアントすべてが成功した場合のみ合格となるため、SGCは運ではなく一貫性に報います。ここでの差はさらに大きく、CUGAは20シナリオ、Hermesは8シナリオ、Deep Agentsは2シナリオです。」 – IBM Researchブログ
CUGAが優れている理由:主要なハーネス機能
CUGAのアーキテクチャは、モデルからハーネスへ意思決定をオフロードするコンパクトで反復可能なループを追加します:
- タスク分解 – マルチアプリリクエストをシングルアプリステップに分割し、組み合わせ的なツール選択を削減。
- 焦点を絞ったツールセット – 各ステップは、そのアプリに関連するツールと少数の共有ユーティリティのみを表示し、469の全ツールのノイズを回避。
- ツールショートリスター – ステップが必要とする追加ツールを動的に発見。
- CodeActとサンドボックス – モデルはAPIを呼び出すPythonを生成し、コードは時間制限付きの制限された環境で実行。
- 実行前検証 – 状態を変更するすべてのコードブロックは、実行前にレビューされます。
- 自動リフレクション – 各ステップ後、ハーネスは結果を監査し、計画を修正し、ページネーションの問題をフラグします。
これらの強制ポイントは、誤った決定を劇的に減らし、問題を早期に表面化させ、全体的な成功率を向上させます。
プロンプトを超えたビジネスルールの強制
エンタープライズエージェントは、厳格なポリシー(例:支払い制限、PII処理)に従わなければなりません。CUGAはそのようなルールを脆弱なシステムプロンプトから、ハーネスが4つの実行ポイントで強制するポリシーレイヤーに移します:
| 実行ポイント | ポリシータイプ | 強制アクション | 例 |
|---|---|---|---|
| ユーザー意図 | Intent Guard | エージェントアクションの前にブロックまたは回答 | 全顧客レコードの削除リクエストを拒否 |
| エージェントガイダンス | Playbook | 標準手順を提供 | ステップバイステップの返金ワークフローに従う |
| ツール実行 | Tool Approval | 人間の承認を待ち、生成されたコードを表示 | 支払いツールが実行される前にマネージャーの承認を要求 |
| ツール実行 | ToolGuard | 許可されていない呼び出しを中止するハードチェック | 1,000ドルを超える支払いをブロック |
| 最終応答 | Output Formatter | 承認されたテンプレートに回答を整形 | コンプライアンス承認済みの返信形式を使用 |
Policy Playgroundデモは、同じユーザーメッセージが2つの異なる結果を生むことを示しています:制限のないエージェントは90ドル(拒否された請求を含む)を支払う一方、ポリシー対応エージェントは承認のために支払いを保留し、承認された10ドルだけを支払います。
「『借りがあるものをすべて支払う』という指示に対し、ポリシーのないエージェントは回収中の拒否された請求を含む90ドルを支払いました。ポリシーを持つエージェントは支払いを承認のために保留し、支払うべき10ドルだけを支払いました。」 – IBM Researchブログ
CUGAが適切な選択となる場合
CUGAはエンタープライズ自動化向けに設計されており、以下の要件があります:
- ルールは実行時に強制される必要があり、プロンプトで単に提案されるだけではない。
- 展開は主権境界内(プライベートクラウド、エアギャップクラスター、Kubernetes、OIDC認証)に留まる必要がある。
- コスト(トークン使用量、ツール呼び出し、ランタイム)の透明性が求められる。
- チームはコードよりも設定を好む – ポリシー、予算、ツールセットはUIまたはSDKを介して設定され、バージョン管理される。
CUGAはまた、ホスト型モデル(WebArena 2025‑2025、AppWorld 2025‑2026)で公開リーダーボードのトップに立ち、その利点がオープンウェイトモデルを超えて持続することを示しています。
他のハーネスを検討する場合
CUGAは万能なソリューションではありません。専門的なワークロードには代替を選択してください:
- ターミナルコーディングエージェント – opencode、Codex、またはClaude Codeを使用。
- 常時稼働のパーソナルアシスタント – Hermes(Nous Research)はチャット中心のコンテキストで優れています。
- 白紙のキャンバスグラフワークフロー – LangGraphは低レベルの柔軟性を提供します。CUGA自体もLangGraph上に構築されています。
CUGAを自分で試す方法
- Policy Playground – ポリシー強制のインタラクティブデモ:https://huggingface.co/spaces/ibm-research/cuga-policy-playground
- ベンチマークの再現 – 完全な評価コード:https://github.com/cuga-project/harbor-eval
- GitHubリポジトリ – スターとフォーク:https://github.com/cuga-project/cuga-agent
- クイックインストールガイド – ローカルインスタンスを実行:https://github.com/cuga-project/cuga-agent#quick-install
IBM Researchチームは、同じAppWorldタスクに対する代替ハーネス設定のコミュニティ提出を歓迎します。結果は再実行され、透明に公開されます。
報告された研究の制限
- 比較は単一ベンチマークの90タスクのみをカバーしているため、調査結果がすべてのエンタープライズシナリオに一般化されない可能性があります。
- ハーネス設定は詳細(例:ツールのショートリスト化、ミドルウェア)が異なり、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
- ベンチマーク中はポリシー強制がアクティブではなかったため、測定された利点はルールチェックではなく、オーケストレーションロジックのみに由来します。
結論
適切なエージェントハーネスの選択は、モデル自体の選択と同じくらい重要です。同一モデルでの直接比較テストで、CUGAのエンタープライズ重視の設計は、Hermesの2倍以上、Deep Agentsのほぼ3倍のタスク完了率を達成し、ハーネスレベルのオーケストレーション、検証、ポリシー強制が信頼性の高いビジネスグレードのAIエージェントにとって決定的な要因であることを証明しました。