AnthropicがClaudeによる重要なソフトウェア脆弱性の発見および悪用能力を報告

AI主導の脆弱性研究の概要

Anthropicは、最先端のAIモデルが自律的に複数の脆弱性を発見し、それらを連鎖させることで、重要な実世界のソフトウェアに対する高度なエクスプロイトを作成できることを実証しました。チームは内部研究用モデルを活用し、ブラウザ、オペレーティングシステム、カーネルレベルのネットワークスタックに対する概念実証(PoC)エクスプロイトの開発に成功しました。これらの調査結果は、以前は高度に専門化された人間のチームの領域であった複雑な多段階のセキュリティ研究を、AIが実行可能になったという転換点を示しています。

主な脆弱性の調査結果

Anthropicは5つの具体的な攻撃チェーンを文書化しました。これらはすべてベンダーに報告され、その後パッチが適用されています。

  • Google Chrome: ブラウザのサンドボックス外でのリモートコード実行(RCE)を可能にする多段階エクスプロイトチェーン。このプロセスには、V8エンジンのメモリ破損、サンドボックスエスケープ、およびFedCM機能におけるUse-After-Free(UAF)脆弱性が含まれていました。これにより、Chrome 156で62件のCVEが割り当てられ、修正されました。
  • Apple Safari: 研究者は、同一生成元ポリシー(SOP)を回避してCookieや履歴などの機密ユーザーデータにアクセスするデータ専用エクスプロイトを開発しました。このチェーンはJavaScriptCoreのUAFとサンドボックスIPCの脆弱性を利用したもので、従来のコード実行を伴わなくても、完全なメモリ読み取り/書き込みアクセスによってセキュリティが侵害される可能性があることを示しました。
  • Android: ロック画面の保護を回避して物理的なGoogle Pixel 9から個人データを抽出するエクスプロイトチェーン。この攻撃は、ソースコード分析、Google Playサービスの逆コンパイル、およびUSBデータ転送制限と認証チェックを回避するための3つの脆弱性の連鎖を組み合わせたものです。
  • Windows: WindowsカーネルのQUIC実装におけるメモリ安全性の境界外読み取りにより、リモートでのサービス拒否(DoS)が可能になりました。モデルは、Ghidraなどのツールを使用してバイナリを逆コンパイルし、生成された注釈付きCコードを分析することでこれを特定しました。
  • Linux Kernel: ネットワークスタックにおいてゼロクリックRCEが発見されました。このエクスプロイトは、競合状態によって引き起こされるUAFを使用してKASLRを無効化し、制御フローを乗っ取ることで、ルートレベルでのコマンド実行を可能にしました。この脆弱性はCVE-2026-98432として追跡されています。

方法論とスケーリング

Anthropicのアプローチは、テスト時の計算スケーリングと多様なスキャンエージェントの使用の重要性を強調しています。チームは多数のエージェントを並列実行することで、コードカバレッジを動的に追跡し、純粋なカバレッジ分析から目標ベースおよび脅威モデルベースのテストまで、さまざまな戦略を適用することができました。

新たな脆弱性の導入を防ぐため、Anthropicはセキュリティスキャンを開発ライフサイクルに直接統合することを推奨しています。同社は、プルリクエスト(PR)段階で開発者が潜在的な問題を特定できるよう支援する、セキュリティガイダンス用のClaude Codeプラグインをリリースしました。

セキュリティ専門家への影響

これらの能力は、AIが複雑なエクスプロイトを発見するための障壁を大幅に下げることを示唆しています。防御側にとっては、よりプロアクティブなセキュリティ体制が必要です。Anthropicは、パッチ適用において先手を打つために高度なモデルを使用することを推奨しています。これを支援するため、同社はCyber Verification Programを拡大し、資格のあるセキュリティ専門家がClaude Opus 5.5、Sonnet 5.5、Mythos 5.1を含む最も高性能なモデルにアクセスできるようにし、自動化された脆弱性の検出と修復を促進しています。

Sources