AMD ハードウェアでローカル AI を実行する
AMD ハードウェアでローカル AI を実行する
ローカル AI が戦略的必需品になる理由
ローカル AI は、オープンウェイトモデルが最先端モデルとの性能差を 3〜6 か月以内に埋めたことから、必須となりつつあります。最先端ラボのトークンコストは紙面上では低く見えるかもしれませんが、AI エージェントや推論中心のワークロードの増加により、トークン消費が大規模になり、運用コストが大幅に上昇します。ローカルでの実行は、データプライバシーが必要なユーザー、AI スタックを完全にコントロールしたいユーザー、そしてエージェント的な API 呼び出しのコスト上昇を回避したいユーザーにとって重要な解決策です。
AI ワークロード向けハードウェア構成
高性能ローカル AI には大量の VRAM と処理能力が必要です。本デモで評価したハードウェアスタックは次のとおりです。
- CPU: AMD Ryzen Threadripper 9980X
- GPU: AMD Radeon AI Pro R9700(32 GB VRAM)
この構成により、量子化による妥協を最小限に抑えて高品質モデルを実行できます。小規模モデルでは 8 ビット量子化やフル解像度が利用でき、より大きなモデルは通常 4 ビット量子化で効果的に動作します。
LLM の実行とパフォーマンス
AMD ハードウェア上で大規模言語モデル(LLM)を実行する際は、LM Studio や Ollama といったツールが便利です。
LM Studio と Ollama
LM Studio は ROCm ランタイムを同梱しており、AMD GPU をネイティブに認識します。Radeon AI Pro R9700 上で Qwen 3.6 mixture‑of‑experts モデルを使用した場合、約 160 トークン/秒の性能が得られました。この速度は人間が読むのに十分であり、AI エージェントが要求する高速イテレーションにも対応できます。
モデル機能
ローカル環境は以下のような幅広い機能をサポートします。
- 推論: 推論機能のオン/オフ切替。
- ビジョン: 画像入力の処理。
- 文書解析: ローカル文書のロードとチャット。
- コンテキストウィンドウ: 高トークンスループットを維持しつつ、コンテキストウィンドウサイズ(例: 64K)を調整可能。
ROCm ソフトウェアスタック
ROCm(Radeon Open Compute)は、AMD ハードウェア上でディープラーニングフレームワークを動作させる基盤層です。NVIDIA の CUDA に対する主要な代替手段となります。
互換性と統合
ROCm とその変換レイヤーである HIP は成熟し、ソフトウェア互換性がもはや大きな障壁ではなくなっています。主な統合例は次のとおりです。
- PyTorch: 公式 ROCm ホイールが提供されており、pip で PyTorch をインストールすれば既存コードを最小限の変更で実行可能です。
- Transformers ライブラリ: ROCm に完全対応しており、モデル推論やデプロイが可能です。
- Unsloth: AMD GPU 上で LLM をファインチューニングするための具体的ガイドを提供します。
ROCm は推論だけでなく、モデルのフルトレーニングやスクラッチからのファインチューニングもサポートします。
ComfyUI での生成メディア
AMD GPU は ComfyUI を介して複雑な生成メディアパイプラインを実行できます。ComfyUI の ROCm バージョンを選択することで、さまざまな生成タスクを実行可能です。
- 画像生成: テキスト‑ツー‑画像、画像‑ツー‑画像の高速生成。
- 動画生成: LTX 2 や Wan 2.2 などのモデルに対応。
- その他のモダリティ: 音声モデルや image‑to‑3D モデルにも対応。
Linux でのパフォーマンス最適化
Windows(WSL 経由)もサポートされていますが、ネイティブ Linux 環境が ROCm スタックに対して最も堅牢なサポートを提供します。
Linux の利点
Linux をインストールすると、最新の ROCm バージョン(例: ROCm 7.2)を利用でき、Windows では入手できない場合があります。この環境は PyTorch との深い統合を可能にし、開発者は次のことができます。
- GPU への直接アクセス: デバイス名を確認し、テンソルを Radeon GPU に直接割り当てる。
- カスタムトレーニング: CIFAR‑10 データセット上で ResNet モデルをトレーニングし、Gradio インターフェースで予測を行う。
- 高度な推論: Transformers ライブラリで Gemma 4 などのフル解像度モデルを実行したり、vLLM を介してエージェントワークフロー用に提供したりする。
ネイティブ Linux 環境を活用することで、単なるチャットインターフェースを超えて、ローカル AMD ハードウェア上での本格的な AI 開発・デプロイが可能になります。
要約: AMD の ROCm プラットフォームと Radeon AI Pro GPU は、LLM、画像・動画生成モデルの高性能ローカル実行を可能にし、プライバシーとコスト効率の観点から CUDA ベースシステムに代わる実用的な選択肢を提供します。
タイトル: AMD ハードウェアでローカル AI を実行する
Sources
- undefinedRunning Local AI on AMD