Laguna S 2.1 リリースノート: 高機能エージェントコーディングモデル

Laguna S 2.1 リリースノート: 高機能エージェントコーディングモデル

Laguna S 2.1 は、長期エージェント作業と複雑な推論を目的とした 118B 総パラメータの Mixture-of-Experts (MoE) モデルです。トークンあたり 8B の有効パラメータだけで、コーディングベンチマークにおいて同等以上の性能を発揮し、NVIDIA DGX Spark のようなローカルマシンや専門ワークステーションへの展開に最適です。

パフォーマンスベンチマークとモデル効率

Laguna S 2.1 は、エージェントコーディングタスクにおいてクラスを大きく上回る効率性を示します。思考モードでは Terminal‑Bench 2.1 で 70.2% のスコアを取得し、DeepSeek‑V4‑Pro‑Max (1.6T) や Inkling (975B) など、より大規模なオープンウェイトモデルを上回ります。

ベンチマーク比較結果

ベンチマーク Laguna S 2.1 (118B‑A8B) Tencent Hy3 (295B‑A21B) DeepSeek‑V4‑Pro Max (1.6T‑A49B) Kimi K3 (2.8T‑A50B) Claude Fable 5
Terminal‑Bench 2.1 70.2 71.7 64.0 88.3 88.0
SWE‑Bench Multilingual 78.5 75.8 76.2 - -
SWE‑Bench Pro (Public) 59.4 57.9 55.4 - 80.3
DeepSWE 40.4 - 9.0 69.0 70.0
SWE Atlas (Codebase QnA) 46.2 - 27.2 - -
Toolathlon Verified 49.7 - 55.9 - -

DeepSWE v1.1 ベンチマーク(部分的に解くのが難しい長期タスクを含む)において、Laguna S 2.1 は思考モードで 40.4% のスコアを記録しました。この結果は、同ベンチマークで 9.0% にとどまった 1.6T パラメータの DeepSeek‑V4‑Pro‑Max を上回っている点で特に注目に値します。

コア機能とケーススタディ

Laguna S 2.1 は、直接的な手段が失敗したときに代替経路を見つけ出す粘り強さと工夫力が特徴です。

ブラウザエンジン構築

50 分、181 ステップの人手不介入セッションで、モデルは空のフォルダから動作する HTML/CSS レンダリングエンジンを構築しました。視覚認識能力がないことを補うため、ヘッドレス Chromium を用いた検証ループを実装し、キャンバスを読み取り、実際のブラウザと数値的にスクリーンショットを比較しました。

自動ハーネス最適化

Poolside の独自エージェントハーネスの最適化を任された際、Laguna S 2.1 は速度を 5.2% 向上させ、メモリ割り当てを約 70% 削減しました。モデルはストリーミングトークン蓄積における $O(n^2)$ の文字列連結をバッファに置き換え、軌道具現化時の冗長コピーも解消しました。

数学的発見

モデルは独自に Erdős 問題 #397 の証明を再構成しました。この問題は 2026 年 1 月まで 50 年以上未解決でしたが、モデルの知識カットオフが 2025 年 11 月であるため、完全に新しい導出となります。モデルはサンドボックス内で Perl を使用し、総当たりの素因数分解とパターン解析により、8 つのインデックス解からなる閉形式の無限族を発見しました。

技術アーキテクチャと学習

Laguna S 2.1 は、Laguna XS ファミリーをベースに同一の事前学習データを用いて、9 週間未満で開発されました。

ポストトレーニングと RL

エージェント機能の大部分は、合成データを用いた SFT ステージと、難易度の高いタスク向けの強化学習 (RL) の 2 段階ポストトレーニングプロセスから得られます。RL は学習速度向上のため FP8 精度で実施されました。学習コーパスは 409k の環境を含み、うち 168k がソフトウェアエンジニアリングワークフロー、83k がターミナルユースケースに焦点を当てています。

思考モードとコンテキスト

モデルは最大 1M トークンのコンテキストウィンドウをサポートし、2 つの思考モードを備えています:

  • Off: 標準生成。
  • Max (デフォルト): モデルが最適なテスト時計算予算を決定します。

"Max" 思考を有効にするとパフォーマンスが大幅に向上し、Terminal‑Bench 2.1 のスコアが 60.4% から 70.2% に、DeepSWE のスコアが 16.5% から 40.4% に上昇します。

既知の制限事項

  • ハーネスの過学習: モデルは時折、サードパーティハーネスのスキーマではなく、ネイティブハーネスのツールインターフェース記憶に依存することがあります。
  • 入れ子ツール呼び出し: ツール引数が JSON 配列を必要とする場合、エスケープが不適切または無効な JSON で失敗しやすくなります。
  • 過度な思考: 競技数学など特定領域では、進展前に過剰に長い思考シーケンスを生成することがあります。

コミュニティの洞察とデプロイ

コミュニティからは、ローカルハードウェアでの実用性と DeepSeek V4 Flash などの大規模モデルに対抗できる点が高く評価されています。ユーザーは、"thinking" を有効にし、generation_config.json のデフォルト 32k を超える max_new_tokens を増やすことが、報告されたコード品質を得る鍵であると指摘しています。

Laguna S 2.1 は Hugging Face で OpenMDW‑1.1 ライセンスの下、BF16、FP8、INT4、NVFP4 重みとして提供されており、vLLM、SGLang、Ollama によるローカル推論がサポートされています。

Sources