欧州 ISP が過剰ブロックによる損害に対する権利者責任を求める

欧州の ISP が過剰ブロックによる損害に対する権利者責任を求める

EuroISPA(3,300 以上の欧州インターネットサービスプロバイダーを代表)は、過剰ブロックによって生じる付随的損害について権利者に責任を負わせる補償メカニズムの導入を欧州委員会に要請しています。この動きは、サイトブロック命令が従来の ISP に加えて DNS リゾルバや VPN プロバイダーにも拡大し、正当なサービスが誤ってブロックされるケースが増えていることを背景としています。

権利者は過剰ブロックに対する責任を負っていない

権利者は、違法コンテンツを対象とした広範なサイトブロック命令を推進してきましたが、非侵害コンテンツが誤ってブロックされた場合の直接的な責任は負っていません。EuroISPA は、この説明責任の欠如が構造的な負担を生み、特にイタリアでは 30 分以内にブロックを実施しなければならない小規模プロバイダーにとって、リソース不足で結果的な混乱に対処できない状況を指摘しています。

EuroISPA は、権利者に責任を負わせるために新たな立法は不要であり、EU の知的財産権執行指令(IPRED)ですでに損害賠償責任の原則が支持されていると主張しています。

IP レベルのブロックによる付随的損害

ドメイン単位ではなく IP アドレス単位でのブロックへシフトした結果、欧州全体で大規模な「過剰ブロック」事例が発生しています。複数のウェブサイトが同一 IP アドレスを共有しているため、1 つの海賊サイトをブロックすると、何千もの正当なサイトが意図せずに利用不能になることがあります。

過剰ブロックの主な例は次のとおりです:

  • イタリア: Piracy Shield の IP レベルブロックにより、7,700 以上のドメイン名が被害を受け、ポルトガルのホスティングプロバイダーのメール接続が 16 日間遮断されました。
  • スペイン: LaLiga が取得したブロック命令が共有 IP アドレスを対象とし、何百万人ものユーザーが銀行アプリ、開発者ツール、決済プラットフォームへのアクセスを失いました。
  • フランスとベルギー: Cisco は海賊サイトブロック命令を受け、2024 年にフランス、2025 年にベルギーから OpenDNS を撤退させましたが、ベルギーでは上訴に成功しサービスが再開されました。

DNS と VPN へのブロック義務の拡大

ブロック命令は、侵害コンテンツと直接的な関係がない仲介業者にも向けられるようになっています。DNS リゾルバや VPN プロバイダーは、地理的に限定されたブロックを実装する技術的手段がないにもかかわらず、ブロックを強いられています。

この傾向は、イタリアの通信規制当局 AGCOM が、公共 DNS サービス 1.1.1.1 のブロック要求を拒否した Cloudflare に対し 1,400 万ユーロの罰金を科した事例で顕著です。

現行措置の有効性

EuroISPA の提出書類は、欧州委員会が実施した 2023 年のライブイベント海賊対策勧告の評価を引用しています。その評価では、同勧告の効果は「限定的な肯定的効果」にとどまり、海賊行為の実質的な減少にはつながっていないと結論付けられました。協会は、問題は立法の欠如ではなく、既存法の執行にあると指摘し、委員会は新たな執行義務を導入するよりも、現行法の実施を優先すべきだと主張しています。

デジタル検閲に対するコミュニティの見解

業界関係者や技術コミュニティのメンバーは、エラーに対するコストが発生しないため、ブロック要求が「スパム」的に増加する現行システムに懸念を示しています。

"執行はコスト/ベネフィット分析であるべきです。現状、権利者側に課されるコストはほとんどなく、彼らは自由にスパムできます。"

他の声として、これはデジタル検閲の拡大とオープンインターネットの侵食という世界的な潮流の一部であり、米国の DMCA テイクダウンと類似していると指摘されています。米国では、プロバイダーが責任を回避するために無実のコンテンツを削除するケースが頻発し、要請者が罰せられることはほとんどありません。


要約: EuroISPA は、過度に広範な海賊サイトブロック命令によって生じる付随的損害について、権利者に金銭的責任を負わせるよう欧州委員会に働きかけています。

タイトル: 欧州 ISP が過剰ブロックによる損害に対する権利者責任を求める

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