SteamOS 3.8 リリースノート

SteamOS 3.8 はデフォルトで Wayland を採用し、ハンドヘルドのサポートを拡大

SteamOS 3.8(特にバージョン 3.8.10)は現在安定版で、デスクトップ環境をデフォルトで Wayland に切り替える大きな転換と、Steam Deck 以外のハンドヘルドデバイスへの互換性を大幅に拡張しています。今回のアップデートではシステムベースを新しい Arch Linux バージョンに更新し、Linux カーネルを 6.16 にアップグレードしました。

デスクトップモード: Wayland と KDE Plasma 6.4.3 への移行

デスクトップモードはデフォルトで Wayland を使用し、X11 に代わります。X11 は steamosctl や Steam 開発者設定から引き続き利用可能ですが、Wayland への移行はゲームモードとデスクトップモード間のパフォーマンス差を解消することを目的としています。

デスクトップ環境の主な改善点は次のとおりです:

  • KDE Plasma の更新: バージョン 6.2.5 から 6.4.3 にアップグレード。
  • ディスプレイの強化: 外部 HDR および VRR ディスプレイのサポート、ディスプレイごとのスケールファクター、回転ディスプレイのサポート改善を追加。
  • テレビ最適化: テレビ画面向けのスケールファクターがデフォルトで改善。
  • 統合: キーボードレイアウトと入力言語設定がゲームモードと同期するようになりました。

サードパーティ製ハンドヘルドのサポート拡大

SteamOS 3.8 には「Non-Deck」ハードウェア向けの大幅なアップデートが含まれ、ハンドヘルドエコシステム全体での OS 互換性が広がります。

ハードウェア互換性

  • Lenovo Legion Go: Legion Go 2 用コントローラサポートを追加し、システムおよびコントローラのファームウェア更新と RGB LED カラー設定に対応。デスクトップモードでの充電制限機能が Legion Go、Legion Go S、Legion Go 2 に提供されました。
  • ASUS ROG Ally: ASUS ROG Xbox Ally シリーズ向けにコントローラ、TDP 制御、スピーカー音声サポートを追加し、国際モデルでのシステムクラッシュを修正。
  • MSI Claw: 複数の MSI Claw デバイス(A1M、7 AI+ A2VM、8 AI+ A2VM、A8 BZ2EM)に対するコントローラサポートを追加。
  • OneXPlayer: X1 シリーズと APEX のコントローラサポートを追加し、F1 シリーズのサポートを改善。
  • その他のデバイス: GPD Win 5、GPD Win Mini、Anbernic Win600、OrangePi NEO のサポートを追加。

パフォーマンスと安定性

  • 入力レイテンシ: ハンドヘルドコントローラの入力レイテンシが 5‑8 ms から 100‑500 µs に削減。
  • GPU とメモリ: ディスクリート GPU プラットフォームでのビデオメモリ管理を改善し、Phoenix APU デバイスでの Tales of AriseOctopath Traveler II などのタイトルで発生していた GPU ハングを修正。
  • AMD APU サポート: Z2E 以降の AMD APU でナイトモード、カラー・バイブランス、カラー・テンパチャーのスライダーが機能するようになり、シームレスなブート修正も実装。
  • ストレージ: MSI Claw、Legion Go シリーズ、ASUS ROG Xbox Ally 向けに SD カードの信頼性向上を実装。

Steam Deck 固有の改善

システムとファームウェア

  • BIOS アップデート: LCD モデル向けに BIOS v133(「Memory Power Down」機能と予備的なハイバーネーションサポートを追加)を、OLED モデル向けに BIOS v114(充電リミット到達時に充電 LED の色が変わるよう更新)を含む。
  • 電源管理: 接続された Steam Controller でのスリープからのウェイクをサポートし、LCD モデルでの Bluetooth Wake を再有効化、スパリオスウェイク問題を修正。

ディスプレイとオーディオ

  • VRR と FSR: ネイティブ HDMI 出力を持つデバイス向けに HDMI VRR の予備的サポートを追加し、VRR フレームペーシングを改善。
  • オーディオ接続性: Bluetooth ヘッドセットマイクの使用を許可する設定を追加(キャプチャ中は再生品質が低下する旨の注意付き)し、アクセシビリティ向けにモノラル出力を強制するオプションを追加。
  • HDMI オーディオ: システムが HDMI のチャンネル数を検出し、利用可能な場合はサラウンド構成を公開。

開発者向けとシステムの更新

SteamOS 3.8 は基盤となる技術スタックを更新し、安定性とセキュリティを向上させます:

  • カーネル: Linux カーネル 6.16 に更新。
  • システムベース: Arch システムベースを更新。
  • 仮想化: virtio ゲストドライバによる仮想マシンゲストとしての初期サポート。
  • CPU スケジューリング: steamosctl set-cpu-scheduler lavd で利用可能な LAVD CPU スケジューラの初期サポート。
  • アップデート速度: 高速接続時の OS アップデート速度を大幅に改善。

コミュニティの洞察

Hacker News のユーザーは「Non-Deck」セクションの重要性に言及し、Valve が SteamOS をより広範なハードウェアに対応させようとしている点が今回のリリースの大きなハイライトだと指摘しています。一般的なデスクトップディストリビューションとして SteamOS を使用したいという声や、これらのアップデートを支える A/B システムイメージスイッチャ(RAUC)の技術実装に注目する声もありました。

"That non-steam-deck section is glorious."

"Valve has [done] fucking amazing with linux."

Sources