Mistral OCR 4 リリースノート / 新機能

Mistral AIは、エンタープライズグレードのドキュメント・インテリジェンス向けに設計された特化型ドキュメント解析モデルであるMistral OCR 4のリリースを発表しました。このモデルは、単なるテキスト変換を超え、バウンディングボックス、ブロック分類、インラインの信頼度スコアを提供するドキュメントの構造化表現へと進化することで、ドキュメント抽出における画期的な進歩をもたらします。

技術的能力と構造化出力

OCR 4はドキュメントを構造化データに変換します。クリーンなテキストや表に焦点を当てていた以前の世代とは異なり、OCR 4は抽出された各要素に対して以下のメタデータを提供します。

  • Bounding Boxes: 文脈に応じたハイライトや信頼性の高いデータパイプラインのために、テキストの位置を特定します。
  • Block Classification: コンテンツブロックの役割(例:タイトル、表、数式、署名)を識別します。
  • Confidence Scores: ヒューマン・イン・ザ・ループによる検証や、ソースに基づいた引用を容易にするため、ページごとおよび単語ごとにインラインのスコアを生成します。

これらの構造的プリミティブにより、ダウンストリームのシステムはドキュメントの内容だけでなく、その空間的な配置や各要素の役割を理解できるようになります。これは、特にRAGのためのセマンティック・チャンキング、エージェンティック・ワークフロー(フォーム入力や請求書処理など)、およびデータコネクタのための一貫した取り込みをサポートするように設計されています。

パフォーマンスとベンチマーク

Mistral AIは、OCR 4が人間の好みと自動ベンチマークの両方において、主要なOCRおよびドキュメントAIシステムを凌駕していると報告しています。

人間の好みによる評価

12以上の言語にわたる600以上のドキュメントを用いた直接比較によるブラインド・ランキングにおいて、独立したアノテーターは、テストされたすべての主要なシステムよりもOCR 4を好むと回答し、平均勝率は72%に達しました。

自動ベンチマーク

OCR 4は、OlmOCRBench (85.20) で総合トップスコアを獲得し、内部の Crawl Multilingual evaluation (.98) で首位となりました。また、OmniDocBench では 93.07 を記録しました。

Mistral AIは、ベンチマークのスコアリング・アーティファクトにおける既知の制限(参照アノテーションにおける正解データの誤り、同等のLaTeX数式表記、および正しい出力をペナルティの対象とする可能性のあるマルチカラムの読み取り順序の仮定など)により、これらの自動スコアは決定的なものではなく、方向性を示すものであると述べています。

多言語サポート

OCR 4は、専門的な言語やリソースの少ない言語を含む、10の言語グループにわたる170の言語をサポートしています。内部評価によれば、競合する多くのシステムが精度を低下させる場面でも、本モデルは高い精度を維持しています。

デプロイメントと統合

OCR 4は、単一のコンテナでデプロイ可能なコンパクトなモデルであり、エンタープライズのお客様がデータレジデンシーとコンプライアンスのためにドキュメントデータを自社のインフラストラクチャ内に保持することを可能にします。

APIとDocument AIオプション

開発者は、2つの主要な使用モードを備えた単一のAPIエンドポイントを介してモデルを統合できます。

  1. Pure Extraction Mode: 生の抽出コンテンツ、バウンディングボックス、ブロックタイプ、および信頼度スコアを提供します。これは、Batch APIを介した大量のバッチ取り込みに最適です。
  2. Document AI Capabilities: 特定のパラメータを追加することで、OCR出力が mistral-small-2603 に送られ、ユーザー定義のスキーマに基づいた構造化JSONを生成したり、画像をビジョン・ランゲージ・モデルでアノテーションしたり、カスタムプロンプトに基づいてコンテンツを要約したりすることができます。

価格

  • OCR 4 API: 1,000ページあたり$4(Batch-API利用時は50%割引が適用され、1,000ページあたり$2となります)。
  • Document AI: 1,000ページあたり$5。

エコシステムと可用性

OCR 4は、オープンソースの構成可能な検索フレームワークである Mistral Search Toolkit と統合されています。これは、RAGやエンタープライズ検索パイプラインに対して、引用可能な入力を提供する取り込みコンポーネントとして機能します。

本モデルは、Mistral Studio、Amazon SageMaker、Microsoft Foundry、および間もなくSnowflake Parse Documentでも利用可能になります。エンタープライズのお客様向けには、セルフホスティングのオプションも用意されています。

Sources

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