QM: 業務向けマルチプレイヤー・エージェント・ハーネス

QMは、AIエージェントを個人のアシスタントから組織的なツールへと進化させるために設計された、マルチプレイヤー・エージェント・ハーネスです。スタートアップの従業員が、共有チャンネル、グループメッセージ、プロジェクト内でエージェントと協力しながら、隔離された個人のワークスペースを維持することを可能にします。

スコープ化されたメモリとコラボレーション環境

QMは、スコープ化されたアーキテクチャを実装することで、企業全体でのエージェント展開の複雑さを解決します。単一のモノリシックなエージェントではなく、QMはデータと権限に対して明確な境界を提供します。

  • Personal Scopes: 各ユーザーは、独自のメモリ、ファイル、キーチェーン表示、権限、および永続的なサンドボックスを備えた隔離されたワークスペースを持ちます。
  • Shared Scopes: エージェントはSlackチャンネルやプロジェクト内で動作でき、そこではメモリとツールがグループ内で共有されます。

この構造により、ユーザーは同僚に影響を与えることなく、自身の特定のニーズに合わせてエージェントをカスタマイズでき、同時にチーム全体の調整にエージェントを活用することができます。

技術アーキテクチャとモデル非依存性

QMは、エージェントのロジックをインターフェースと基盤となるLLMから切り離す、ヘッドレス・コアとして構築されています。

Core Components

  • Headless Core: TypeScript (Node.js) で書かれ、Fastify を使用して、アイデンティティ、ポリシー、およびスケジューリングを管理します。
  • Agent Loop: このシステムはモデル非依存であり、Pi, OpenCode, Codex, および Claude Code といった様々なハーネスをサポートしています。これにより、オペレーターがコアの展開を 변경하지 않고 モデルを切り替えることができるため、ベンダーロックインを防ぎます。
  • Persistence Layer: Postgres データベースがセッション、メモリ、およびタスクキューを保存します。
  • Per-Scope Sandbox: 各スコープには、エージェントが execute ツールを介してコマンドを実行できる永続的なサンドボックス(「永続的なコンピュータ」)があります。このサンドボックス内にインストールされたツールは、セッションを越えて保持されます。

Interface Plugins

コアは、様々なインターフェースをプラグインとして追加できる HTTP API を提供します。

  • Slack: Bolt を使用したオプションのインプロセス・プラグインです。
  • Web UI: Lit でレンダリングされる Vite ベースのフロントエンドです。
  • Admin Panel & Public Portal: 組織管理のためのオプションのプラグインです。

セキュリティ・ポスチャとシークレット管理

QMは、エージェントがユーザーに代わって動作し、そのユーザーの特定の認証情報と権限を利用するというセキュリティモデルに従います。リスクを管理するために、管理者は3つのセキュリティ・ポスチャのいずれかに設定できます。

  1. Strict: ターン終了コマンドを除き、すべてのツール呼び出しに人間の承認が必要です。
  2. Auto (Default): 分類器が、モデルに到達する前に外部データとツールの結果をスクリーニングします。
  3. Dangerous: コンテンツのスクリーニングやツール呼び出しの間の停止はありません。

ポスチャに関わらず、predeclared command policy は、再帰的な削除や破壊的な SQL クエリなどの破壊的なアクションに対する厳格な拒否を強制します。

展開・カスタマイズ

QMは、データの主権を確保するために、オペレーター自身のクラウド・アカウント内で展開されるように設計されています(AWS および Fly.io をサポート)。

Deployment Options

  • Standard Deployment: qm CLI を使用して、ユーザーは、完全なソース・チェックアウトを必要とせずに、インフラストラクチャとコネクターの認証情報を管理する展開レポジトリを初期化できます。
  • Private Fork: 高度なカスタマイズが必要な組織向けに、QMはプライベート・フォーク戦略をサポートしています。単なるクローン(GitHub のフォークではなく)を作成し、組織固有の構成を deploy/layers/<org>/ に配置することで、チームはカスタマイマイゼーションをプライベートに保ちつつ、アップストリーム・コアとバイト単位で同一に保つことで、より容易なマージが可能になります。

実用的なユースケース

QMは、いくつかの高レバレッジな組織的ワークフローを Enables を可能にします。

  • Company Brain Retrieval: 社内ノート、メール、ドキュメント、データベースを同時に検索します。
  • Inbox Triage: 過去のメールからユーザーの書き込みスタイルを学習し、返信のドラフトを作成し、スケジュールに基づいてインボックスを分類します。
  • Repository Management: コードベース内で直接、テストの実行、PR の作成、および CI/CD ログの監視を行います。
  • Internal App Publishing: カスタムの社内ウェブアプリを立ち上げ、特定のユーザーグループに展開します。

コミュニティの洞察と視点

QM に関する議論は、マルチプレイヤー・エージェントの可能性と、現在の AI ランドスケープの課題の両方を浮き彫りにしています。一部の開発者は、マルチプレイヤー・エージェントの難しさは、ループ自体ではなく、コンテキストと権限の「スコープ化」にあることが多いと指摘しています。これは、QM が明示的に対処している問題です。

しかし、一部の批評家は、「マルチプレイヤー」エージェントの有用性について懐疑的な見方を示しており、単一なる洗練されたジョブ・スケジューラーなのか、あるいは、具体的な結果を生出さないまま「エージェント同士が対話する」というサイクルを繰り返すリスクがあるのではないかと疑問を疑問を呈しています。また、QM のユニークな貢献モデルについても、議論が活発に行われています。これは、 AI 生成の「slop」を避けるため、コードの PR ではなく、変更内容のテキストによる人間による記述を要求するモデルです。

"The hardest problem in multiplayer agents... has not been the agent loop. It is scoping and QM's per-person scopes plus shared rooms is a sane answer for a company-wide assistant."

"I gave an agent its own Slack channel and it started scheduling meetings with other agents without me. I've never felt more like middle management."

Sources