Mistral AI Leanstral リリース
Mistral AIは、Lean 4証明助手専用に設計されたオープンソースのコードエージェントであるLeanstralをリリースしました。Leanstralは、エージェントが厳格な仕様に対して実装を形式的に証明できるようにすることで、極めて重要なソフトウェアや数学的研究における人間によるレビューのボトルネックを軽減することを目指しています。
Leanstralの技術アーキテクチャとアクセス方法
Leanstralは、6Bのアクティブパラメータを持つスパースアーキテクチャを利用した、非常に効率的なモデルです。証明エンジニアリングのタスクに最適化されており、Leanを完璧な検証器として活用する並列推論を利用することで、コスト効率とパフォーマンスを両立させています。
可用性とライセンス:
- ライセンス: Apache 2.0ライセンスの下でリリースされています。
- 統合: Mistral Vibe内でエージェントモードとして利用可能です(
/leanstallまたはvibe --agent leanを使用)。 - API:
labs-leanstral-2603無料/低コストAPIエンドポイントを通じてアクセス可能です。 - 重み: モデルの重みはローカルデプロイ用に利用可能です。
LeanstralはVibeを通じて任意のModel Context Protocols (MCPs)をサポートしており、特に lean-lsp-mcp に最適化されています。
FLTEvalにおけるパフォーマンスベンチマーク
現実的な証明エンジニアリングのシナリオでモデルを評価するために、Mistral AIはFLTEvalを導入しました。これは、FLTプロジェクトへのプルリクエスト内における形式的な証明の完了と新しい数学的概念の定義をベンチマークする新しい評価スイートです。
オープンソースモデルとの比較
Leanstral-120B-A6Bは、より大規模なオープンソースモデルに対して顕著な効率性の優位性を示しています。GLM5-744B-A40BとKimi-K2.5-1T-32Bは、FLTEvalのスコアがそれぞれ約16.6と20.1で頭打ちとなりましたが、Leanstralは単一のパスで両者を上回りました。
Qwen3.5-397B-A17Bはスコア25.4に達するために4回のパスを必要としましたが、Leanstralはわずか2回のパス(pass@2)で優れたスコア26.3を達成し、同じコストレベルで29.3(pass@4)に達しました。
Claudeファミリーとの比較
Leanstralは、Claudeスイートに対して高価値な代替案を提供し、低いコストで競争力のあるパフォーマンスを実現します。
| Model | Cost ($) | Score |
|---|---|---|
| Haiku | 184 | 23.0 |
| Sonnet | 549 | 23.7 |
| Opus | 1,650 | 39.6 |
| Leanstral | 18 | 21.9 |
| Leanstral pass@2 | 36 | 26.3 |
| Leanstral pass@4 | 72 | 29.3 |
| Leanstral pass@8 | 145 | 31.0 |
| Leanstral pass@16 | 290 | 31.9 |
pass@2において、Leanstral(スコア26.3)は、Sonnet(スコア23.7)を、Sonnetの$549に対し$36というコストで2.6ポイント上回っています。pass@16において、Leanstralはスコア31.9に達し、Sonnetを8ポイント上回っています。
実用的な能力とケーススタディ
Leanstralは、複雑なコンパイル問題を診断し、証明助手間で形式的な定義を翻訳する能力を備えています。
Lean 4 リリースのデバッグ
Lean 4.29.0-rc6でコンパイルが停止したスクリプトという実世界のシナリオにおいて、Leanstralは、defによって作成された型エイリアスが原因でrw (rewrite) タクティクが失敗していることを診断しました。モデルはテストコードを用いて失敗する環境を再現し、defがrwタクティクをブロックする硬直した定義を作成することを正しく特定しました。Leanstralは、defをabbrevに置き換えることで修正案を提示し実装しました。abbrevは透過的なエイリアスを作成するため、rwタクティクがパターンに正常にマッチングできるようになります。
プログラムの推論と翻訳
Leanstralは、カスタムの記法を含むRocqからの定義の変換に成功しました。RocqのステートメントをLeanに翻訳し、その後、そのプログラムに関する特性をLeanで証明することが可能です。例えば、変数Xに2を加えるコマンドが、状態をn+2へと正しく更新することなどを証明できます。
Sources
関連
- Dispatch
- Dispatch
- Dispatch
- Dispatch
- Dispatch