PatchTSMixer が Hugging Face Transformers に追加 – リリースとクイックスタートガイド

TL;DR

PatchTSMixer は、IBM Research が開発した軽量な MLP‑Mixer ベースの時系列モデルで、現在 Hugging Face Transformers ライブラリで利用可能になり、最先端の精度で高速かつメモリ効率の良い予測、分類、回帰を実現します。

PatchTSMixer とは?

PatchTSMixer は多変量時系列入力を固定サイズのパッチに分割し、埋め込みを行った後、MLP‑Mixer 層のスタックでテンソルを処理し、パッチ間、パッチ内、チャネル間の相関を学習します。残差接続とゲート付き注意モジュールにより、モデルは重要な特徴に焦点を当てることができます。このアーキテクチャはマスク付き事前学習と直接予測の両方をサポートし、さまざまな注意ブロックで構成可能です。

パフォーマンスの主張

オリジナルの IBM Research 論文によると、PatchTSMixer は既存の MLP および Transformer ベースラインに対して予測精度を 8 %–60 % 向上させ、最近の Patch‑Transformer モデルを 1 %–2 % 上回ります。また、メモリ使用量と実行時間を 2 ×–3 × 削減しています。

はじめに: インストール

PatchTSMixer を使用するには、以下の 2 つの Python パッケージが必要です。

pip install git+https://github.com/IBM/tsfm.git   # IBM Time Series Foundation Model repository
pip install transformers                         # Hugging Face Transformers

簡単な動作確認:

from transformers import PatchTSMixerConfig
from tsfm_public.toolkit.dataset import ForecastDFDataset

インポートが成功すれば、環境は準備完了です。

例 1 – Electricity データセットでの直接予測

このノートブックはフルトレーニングパイプラインを示しています:

  1. シード設定set_seed(42) による再現性。
  2. データロード – CSV を pandas で読み込み、インデックス範囲に基づいて列を訓練/検証/テストに分割します。
  3. 前処理TimeSeriesPreprocessor が各ウィンドウをスケーリング(デフォルトは "std")し、長さ 512 のスライディングコンテキストウィンドウを作成します。
  4. モデル設定 – ハイパーパラメータ例:
    config = PatchTSMixerConfig(
        context_length=512,
        prediction_length=96,
        patch_length=8,
        patch_stride=8,
        num_input_channels=...,
        d_model=16,
        num_layers=8,
        expansion_factor=2,
        dropout=0.2,
        head_dropout=0.2,
        mode="common_channel",
        scaling="std",
    )
    model = PatchTSMixerForPrediction(config)
    
  5. トレーニング – 早期停止(patience 10)と MSE ロスを使用した Hugging Face Trainer。サンプルのトレーニングログではロスが 0.247 から約 0.12 に減少しています。
  6. 評価 – テスト MSE 0.128 は Electricity ベンチマークでの最先端性能として報告されています。
  7. 保存trainer.save_model() によりモデルチェックポイントが保存されます。

例 2 – ETTh2 への転移学習

同じ事前学習済みモデルを別のデータセットに再利用できます:

  • ゼロショット – ETTh2 での直接評価で MSE 0.304 を得て、SOTA と同等です。
  • 線形プロービング – バックボーンを凍結し、線形ヘッドのみを訓練することで MSE が 0.271 に低減します。
  • フルファインチューニング – すべてのパラメータを解凍しても MSE はわずかに 0.273 に改善するだけで、事前学習された特徴がすでに高い効果を持つことを示しています。 3 つのステージすべてで、調整された TrainingArguments(低い学習率、早期停止 patience 5)を使用した同じ Trainer API を利用します。

主なポイント

  • PatchTSMixer は Transformers ライブラリの第一級モデルとなり、既存の HF パイプラインへの統合が容易になります。
  • MLP‑Mixer バックボーンは、従来の Transformer に比べてはるかに低い計算コストで高い予測精度を提供します。
  • モデルは直接トレーニングと転移学習の両方をサポートし、新しい時系列領域でゼロショットおよびファインチューニングされた性能を実現します。
  • エンドツーエンドのノートブックはデータ準備、モデル設定、トレーニング、評価、チェックポイント保存を網羅し、実務者向けのすぐに実行できるリファレンスを提供します。

リソース

Sources