Ex Situ: 流出文化遺産のオープンソース空間インデックス

Ex Situ: 流出文化遺産のオープンソース空間インデックス

Ex Situは、文化遺産の移動を可視化するために設計されたオープンソースの空間インデックスです。オブジェクトの原産地から、現在の博物館コレクションにおける所在地のまでの道のりをマッピングします。来歴(provenance)データを集約することで、このプロジェクトは、植民地支配や歴史的紛争の結果として、文化遺産がいかに世界的に再分配されてきたかを視覚的に表現します。

データ範囲と分布

Ex Situは現在、世界中の9つの主要なコレクションから収集された145,387点の文化遺産をインデックス化しています。データは、特定の地域から流出したアイテムの著しい集中を示しており、日本、ペルー、エジプトが、流出文化遺産の最も代表的な供給源として現れています。

原産地別の文化遺産

原産地別のインデックス化された文化遺産の分布は以下の通りです:

  • Japan: 20,549
  • Peru: 15,341
  • Egypt: 12,393
  • Iran: 9,397
  • India: 9,365
  • Mexico: 8,866
  • China: 8,756
  • Italy: 6,546

寄与しているコレクション

このインデックスはいくつかの著名な機関からデータを取得しており、Ethnologisches Museumがインデックス化されたアイテムの最大のシェアを占めています。寄与しているコレクションには以下が含まれます:

  • Ethnologisches Museum: 57,384 artifacts
  • Art Institute of Chicago: 33,890 artifacts
  • Victoria and Albert Museum: 21,465 artifacts
  • The Metropolitan Museum of Art: 18,309 artifacts
  • Ägyptisches Museum und Papyrussammlung: 5,517 artifacts
  • Museum für Islamische Kunst: 3,219 artifacts
  • Antikensammlung: 2,418 artifacts
  • Museum für Asiatische Kunst: 2,396 artifacts
  • Vorderasiatisches Museum: 789 artifacts

技術的実装とUX

Ex Situは、空間インデックスの描画にProtomapsとOpenStreetMapのデータを利用しています。このプロジェクトは、オブジェクトの所有権の歴史的記録である来歴(provenance)テキストを、特定の地理的な原産地へと解決するために、ファジーマッチャー(fuzzy matcher)を採用しています。

ユーザーフィードバックと潜在的な改善点

Hacker Newsでのコミュニティの議論では、技術的およびデザイン的な反復に向けたいくつかの領域が強調されました:

  • User Interface: ユーザーは、右パネルのトグルボタンが左パネルの上部に配置されており、直感的ではなく、見つけにくいと指摘しました。
  • Feature Requests: 特定の都市(例:Cusco)から発生した文化遺産、または特定の都市(例:Berlin)に辿り着いた文化遺産を分離できるような、高度なフィルタリング機能への需要があります。
  • Visual Clarity: マッピングの線の方向に方向性を持たせること(グラデーションや色を使用すること)により、文化遺産の供給源と目的地を明確に区別することを提案する声があります。
  • Performance: 一部のユーザーは、操作中のウェブサイトの全体的なパフォーマンスに関する疑問を提起しています。

歴史的および分析的価値

技術的な有用性を超えて、Ex Situは植民地支配の歴史や美術史を研究するためのツールとして機能します。オブジェクトの移動の流れを可視化することで、このプロジェクトは文化遺産の流出の規模を具体的に感じさせることができます。

"It is truly very useful not only for art history but also for the history of colonial rule"

しかし、ユーザーは現在のデータセットにおける欠落を指摘しています。例えば、一部のユーザーは、現在のインデックスが西洋/欧米の機関に大きく偏っており、モスクワのような他の拠点への文化遺産の重要な移動を省略している可能性や、日本によって韓国から持ち出された文化遺産のような、非西洋勢力間の移動を捉えきれていない可能性を指摘しています。

Sources