米国、DeepSeek と 100 余社のブラックリスト化を見送る

米国、DeepSeek と 100 余社の貿易ブラックリスト化を延期

米国政府は、AI スタートアップの DeepSeek、メモリチップメーカー CXMT、そして 100 社以上の中国企業を商務省のエンティティ・リストに追加することを延期した。この決定は、トランプ政権が北京との外交・経済的緊張をエスカレートさせないようにするためであり、昨年すでに諸省庁の委員会がこれらのリスト化を承認していたにもかかわらず行われた。

国家安全保障リスクと告発

ブラックリスト対象となった企業は、商務省、国防省、エネルギー省、国務省の関係者で構成される政府委員会によって国家安全保障リスクとして指摘された。

DeepSeek に対する告発

DeepSeek は、中国軍や情報機関への支援が疑われている点が特に指摘された。米国国務省上級官僚によると、同スタートアップは東南アジアのシェル会社を利用して米国の先進チップを違法に取得しようとしたという。さらに、Anthropic と OpenAI も DeepSeek に懸念を示している。

  • Anthropic は、DeepSeek と他の 2 つの中国ラボが Claude AI プラットフォームから不正に機能を抽出し、自社モデルの改善に利用しようとしたキャンペーンを特定した。
  • OpenAI は、同様の目的で DeepSeek が自社モデルを標的にしていると議員に警告した。

その他の対象企業

AI 以外にも、ブラックリストには幅広い技術・ハードウェア企業が含まれる。

  • CXMT(長新メモリテクノロジーズ):中国最大手のメモリチップメーカーで、以前は防衛省により中国軍事企業として指定されていた。
  • ドローン・ロボティクス供給業者:2025 年 9 月にポーランドで回収されたロシア製ドローンを供給したとされる企業や、中国軍向けにドローンやロボット犬を製造する企業が複数指摘された。
  • チップ流通業者:制限された Nvidia チップを中国の大学へ販売したとして、数十社の中国企業が特定された。

エンティティ・リスト延期の影響

商務省のエンティティ・リストは、ライセンスなしでリスト掲載企業への米国製品・ソフトウェア・技術の輸出を禁止するもので、通常はライセンスが却下される。10 月以降リストが更新されていないことは、10 年以上で最も長い期間新規追加がないことを意味する。

国家安全保障への影響

専門家は、この延期により重要な米国技術が敵対勢力の手に渡る可能性があると指摘する。戦略国際問題研究所(CSIS)の Philip Luck は、エンティティ・リストは「モグラ叩き」のようなもので、効果を保つには常に更新が必要だと述べた。元商務省職員の Kevin Kurland は、現在の傾向は貿易政策が「重要な国家安全保障ツールの使用を覆い隠す」ことを示していると語った。

行政的停滞

報道によると、トランプ政権下の産業安全保障局(BIS)では新たな規則を策定できない、あるいは発表できないという広範な問題がある。例として、米国産 AI チップの世界的アクセスを規制するバイデン政権時代の規則の代替案が未だ公表されておらず、中国本土外の中国企業へのチップ輸出に抜け穴が生じている可能性が指摘されている。

コミュニティの視点と反論

技術観測者の議論は、これらの貿易制限の有効性と意図に関していくつかの緊張点を浮き彫りにしている。

経済競争 vs. 国家安全保障

一部では、ブラックリストは安全保障よりも米国の資本利益を保護するためのものだという見方がある。

"American AI is already trillions of USD underwater, so let's use US gov to build us a moat by making competition illegal"

他方では、DeepSeek の攻撃的な価格設定が米国ラボの利益率を脅かす破壊的要因であると指摘し、DeepSeek の出力トークンは GPT‑5.5 や Fable に比べて大幅に安価であることが挙げられる。

輸出管理の有効性

エンティティ・リストが中国の AI 開発を実際に阻害しているかについては懐疑的な声もある。ある観測者は、2025 年 1 月からリストに掲載されている Z.ai が依然として最先端モデル(例:GLM 5.2)をリリースし続けていることから、中国の AI 企業は制限された Nvidia GPU 以外の米国製品・サービスへの依存度が低下している可能性があると指摘した。

地政学的皮肉

批評家の中には、米国が中国を批判するのと同じ手法、すなわち外国競争の禁止やオープンな協力の制限を自ら採用しており、これがオープンソース AI の世界的発展を阻害しかねないと主張する者もいる。


要約 米国政府は、北京との緊張をエスカレートさせないため、AI スタートアップの DeepSeek と 100 余社の中国企業を商務省のエンティティ・リストに追加するのを延期した。

タイトル 米国、DeepSeek と 100 余社のブラックリスト化を見送る

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